日々、増える領収書や契約書といった紙の書類を、どのように保管していますでしょうか。
実はこうした紙の書類を「デジタルデータに変換して保存」することができる制度があるのです。
それは「スキャナ保存制度」といって、一定の要件に従ってデータを保存すれば、紙の書類は処分することができる制度です。
これにより書類を保管するスペースが不要になり、災害などで被害にあった場合には大事な書類を紛失するリスクも低くなります。
この制度は10年以上前からありますが、要件が厳しくほとんど利用されていませんでした。
しかし、2015年の税制改正で要件が大幅に緩和され、これまでより使いやすい制度に変わりました。
主な改正点は、3万円以上の領収書や契約書なども制度の対象になった点や、デジタル化した日時を証明するタイムスタンプがあれば、電子署名の付与は不要になった点などでしょう。
タイムスタンプとは、電子データがある時刻に確実に存在していたことを証明する電子的な時刻証明書です。
領収書や契約書などの書類がたくさんある場合には、スキャナで読み取る手間がかかります。
またタイムスタンプが利用できる環境を整える必要もあります。
改正により使いやすい制度にはなりましたが、これまでの手間や費用などを比較検討して利用する必要がありそうです。