2024.11.01更新

 金融庁は2025年度の税制改正で、公的年金に上乗せできる個人型確定拠出年金(iDeCo)の拡充を要望するようです。

 老後の資産形成を後押しする狙いがあり、具体的には掛け金の上限引き上げを求めるとのこと。

 確定拠出年金には、事業主が実施する「企業型」と個人で加入する「個人型」があります。

 個人型のメリットとしては「掛け金が全額所得控除」となる税制優遇措置があります。

 例えば毎月の掛け金が2万円で税率が20%だとすると節税効果は年間48000円、25年間で総額120万円になります。

 また「運用益も非課税で再投資」されます。

 通常、運用益には税金が課されますが、個人型の運用益は非課税です。

 そしてもうひとつは「受け取るときの優遇措置」です。

 老齢給付金を一時金として受け取る場合は「退職所得控除」、年金として受け取る場合は「公的年金等控除」という控除が受けられます。

 注意点としては「自分で運用」する自己責任型の制度であることや、中途での引き出しに制限があることなどです。

投稿者: 伯税務会計事務所

2024.10.01更新

 20年ぶりに新紙幣が発行されました。その目的のひとつに紙幣の偽造防止があります。

 今回も3Dホログラムなど、最新の技術が使用されています。また別の目的としては「タンス預金のあぶり出し」が考えられます。

 旧札の流通が少なくなると、タンス預金を新札に交換したくなるのが心情です。

 しかし多額のお金を金融機関で交換すると、そこに記録が残って税務署などに財産が把握されることにもなります。

 また国税庁では「国税総合管理(KSK)システム」を使って、全国の国税局と税務署をネットワークで結び、情報を一元管理しています。

 例えば、ある家族に相続が発生した場合、被相続人(亡くなった人)の生前の収入からすると、3億円ほどの財産があってしかるべきだとKSKシステムが予想したのに対し、申告書には1億円と記載されていたとします。

 被相続人が生前に使ったのか、またはタンス預金などで2億円ほど隠し持っているのか。

 それを確かめるために税務調査官が真実を追求する流れとなります。

投稿者: 伯税務会計事務所

2024.09.01更新

 2024年6月から所得税と住民税の「定額減税」がスタートしました。

 これは家計に影響を及ぼす物価高などの対策として「国民の負担を軽減する」ことを目的とした、1年限り行われる制度です。

 日本国内に住所があり、年間の所得金額が1805万円以下の人が対象で、納税者本人だけでなくその配偶者などを含めた扶養親族も対象となります。

 その額は1人あたり所得税から3万円、住民税からは1万円の合計4万円です。

 分かりやすく言えば、給与などが支給される際に所得税や住民税が減額されて、受取金額が多くなるという仕組みです。

 自営業者などの事業所得者の場合は、予定納税や確定申告の際にその適用を受けることができます。

 さらに「定額減税によって住宅ローン控除やふるさと納税の基準が変わってしまうのでは?」と心配する人もいるかと思いますが、これらについては基本的に影響ありません。

 また所得税や住民税の納付から減税しきれない世帯には、その差額が「給付金」として支給されます。

投稿者: 伯税務会計事務所

2024.08.01更新

 株取引で利益が出たら税金がかかります。

 では損失を出したらどうなるのでしょうか?

 株取引を特定口座の「源泉徴収あり」で行っていれば、同じ証券会社内で生じた利益と損失は自動的に税額が計算されます。

 しかし証券会社が異なる場合は、確定申告をしないと損益通算をすることができません。

 また株の損失は「3年間繰り越す」ことができます。

 つまり翌年以降に株で利益を出したときは、相殺することができるのです。

 ただし株の損失を繰り越すためには、多くの会社員のように確定申告を必要としない人の場合でも、確定申告が必要となります。

 「確定申告なんて面倒だな」と思われるかもしれませんが、申告をして繰り越しをしておかなければ、株の損失はその年でバッサリ切り捨てられてしまいます。

 ちょっと面倒かもしれませんが、その後、損失を取り返したときに「あのときちゃんとしておけばよかった・・・」と後悔しないためにも、確定申告はきちんとしておいたほうがいいですね。

投稿者: 伯税務会計事務所

2024.07.01更新

 取引先の不測の事態は、できることなら避けて通りたいものです。

 しかしもしも多額の売掛金が回収できない状況になったら、事業継続は難しくなり、連鎖倒産という最悪の事態に陥るかもしれません。

 このような「もしも」のときの資金調達として「中小企業倒産防止共済」という制度があります。

 毎月5000円から20万円の範囲で積み立てを行い、現状では800万円(掛金の40倍で掛け止めも可)まで、積み立てることができます。

 またメリットとして、掛金は税法上、法人の場合は損金、個人の場合は必要経費に算入することができます。

 そして一番気になる「もしも」のときには、積み立てた掛金総額の10倍の範囲内(最高8000万円)で、回収が困難となった売掛金債権等の額以内の貸し付けが「無担保」「無保証人」で受けられます。

 ただし2024年10月1日以降については改正があり、一度解約して再度加入する場合、解約後の2年間は掛金を損金または必要経費に算入することができなくなります。

投稿者: 伯税務会計事務所

2024.06.01更新

 「固定資産税」は、誰もが耳にしたことのある税金のひとつではないでしょうか。

 しかしその計算方法や節税方法について詳しく知っている人は少ないかもしれません。

 固定資産税は課税標準額に1.4%の税率を乗じて計算します。

 この課税標準額を減額する方法のひとつに住宅用地特例という措置があります。

 これは住宅用地のうち住宅1戸につき200平米までの部分を「小規模住宅用地」といい、課税標準額が評価額の6分の1となる制度です。

 しかし2023年12月13日に施行された法律により、空き家を所有している人で、次の場合にはこの特例措置を受けられないこととなりました。

 それは空き家の管理を適切にしておらず、倒壊の恐れや衛生面の危険性など近隣への被害が懸念される「特定空き家」に指定された場合や、その前段階の「管理不全空き家」として行政から勧告を受けたにもかかわらず、改善がなされなかった場合です。

 そのため必要に応じて売却、取り壊し、賃貸などの選択肢を検討してみましょう。

投稿者: 伯税務会計事務所

2024.05.01更新

 日本にはおよそ50種類もの税金があります。

 今回はその中でもゴルフに関する税金についてお話しします。

 例えば、友人とプライベートでゴルフをする際にも「ゴルフ場利用税」という税金がかかります。

 ゴルフ場利用税は、ゴルフ場が開発許可や道路整備など行政サービスと密接な関係があることや、他のスポーツ施設と比較して利用料金が高額であることから、その利用者には「税金を納める力がある」とされ、標準税率として1人1日につき800円を利用者が負担するものです。

 ただし18歳未満の方、70歳以上の方、障害者の方などについては、非課税となっています。

 またゴルフ場によっては、天然温泉が楽しめる入湯施設もありますが、その場合には「入湯税」がかかります。

 入湯税は、鉱泉浴場所在の市町村が課する目的税であり、標準税率として1人1日につき150円を利用者が負担するものです。

 その使途としては、環境衛生施設や鉱泉源の保護管理施設などの整備、観光の振興などに要する費用に充当されます。

投稿者: 伯税務会計事務所

2024.04.01更新

 「個人事業主は、経費を使って税金を少なくできるからうらやましい」といった話を会社員から聞くことがあります。

 しかし果たしてそれはどうでしょうか?

 所得税は、所得に税率をかけて計算します。所得とは、個人事業主では売り上げから経費を引いた金額です。

 会社員は、商談時の接待費などは会社が負担してくれるため給与が所得となります。

 しかしここが問題ですね。いくら会社が経費を負担してくれるとはいっても、食事をしながら部下の相談を受けるなど、自腹で支払うことも多々あります。

 そこで会社員などには、そういった必要経費を考慮した「給与所得控除」があります。

 仮に年収が500万円であれば、144万円も「給与所得控除」があります。自腹とはいえ、月々12万円も控除があるわけです。

 では「個人事業主が法人成りをして役員給与をもらったら」どうでしょう。

 もちろんこのケースも「給与所得控除」は受けられ、そのほうが節税となる場合もあります。

 何か不明な点があればお気軽にご相談ください。

投稿者: 伯税務会計事務所

2024.03.01更新

 国税庁は令和4事務年度の「所得税および消費税調査等の状況」を発表しました。

 実地調査の件数、非違件数、申告漏れ所得金額の総額および追徴税額の総額は増加し、その1件あたりの申告漏れ所得金額などについても高水準とのことでした。

 主な取り組みとしては、富裕層に対する調査は増加し、申告漏れ所得金額も過去最高だった昨年を上回る980億円に上りました。

 また海外投資やインターネット取引(暗号資産等取引を含む)に対する調査では、いずれも申告漏れ所得金額は高水準でした。

 このような調査をする際は、事前に国外送金等調書、国外財産調書、租税条約等に基づく情報交換制度などを活用し、入手した情報を分析してから積極的に調査を行っているようです。

 今年度の申告漏れ上位の業種は経営コンサルタント、くず金卸売業、ブリーダーと続き、1位の経営コンサルタントの1件あたりの申告漏れ所得金額は3367万円、追徴税額は676万円でした。

 ちなみに前年度の1位も経営コンサルタントでした。

投稿者: 伯税務会計事務所

2024.02.01更新

 2024年4月1日から相続登記が義務化されます。

 登記簿を見ても所有者が不明な土地が全国に多数あり、周辺の環境悪化や公共工事が阻害されるなどの社会問題を解決するために義務化されることになりました。

 これにより相続人は、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に相続登記をすることが義務となりました。

 正当な理由がないのに相続登記をしない場合は、10万円以下の過料が科される可能性があります。

 また2024年4月1日より前に相続した不動産も義務化の対象となるので要注意です。

 相続人の間で遺産分割の話し合いが難しい場合には「相続人申告登記」という簡易な手続きを法務局で行い、義務を果たすこともできます。

 さらに「遠くに住んでいて利用する予定がない」などの場合は、相続により取得した土地を手放して国に引き渡すことができる「相続土地国庫帰属制度」というものもあります。

 相続税の申告が必要ない人でも、不動産を相続した場合は必ず相続登記を行いましょう。

投稿者: 伯税務会計事務所

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