公的年金に上乗せして給付を受ける私的年金のひとつに「確定拠出年金」があります。
掛金を定めて事業主や加入者が拠出し、運用は加入者自らが行います。
将来の給付額は掛金とその運用益との合計額によって決まるというのが、確定拠出年金の仕組みになります。
これには事業主が実施する「企業型」と個人で加入する「個人型」があり、個人型は平成29年1月から加入者の範囲が拡大され、基本的には全ての人が加入できるようになります。
また個人型の税制優遇措置には次のようなものがあります。
まずひとつが「掛金が全額所得控除」になります。
例えば毎月の掛金が2万円で税率が20%だとすると節税効果は年間48000円、25年間で総額120万円になります。
次に「運用益も非課税で再投資」されます。
通常、金融商品の運用益には源泉分離課税がかかりますが、個人型の運用益は非課税になります。
そしてもうひとつは「受け取るときの優遇措置」です。
老齢給付金を一時金として受け取る場合は「退職所得控除」、年金として受け取る場合は「公的年金等控除」という控除が受けられます。
注意点としては「自分で運用」する自己責任型の制度であることや、中途での引出しに制限があり原則60歳まで引き出すことができないこと、加入時の手数料や毎月の口座管理費が必要になることなどが挙げられます。