「分かりました」と言いながら、ちっとも分かっていない人。
歌の文句のようですが、このような人はたくさんいます。
商売をしていればよくお分かりでしょう。本人に悪気はありません。なぜならその場では分かったつもりでいるからです。
ところが実際にはほとんど忘れてしまうので、結局また同じことを伝える羽目になります。
本人に問題がある場合もありますが、「分かったつもり」は誰にでも起こることなのです。
もちろん自分自身が「ちっとも分かっていない人」になっていることもあるでしょう。
さて、次の問いは行動変化を起こすための研修で使う手法です。
●聞いたことは( ) ●見たことは( ) ●やったことは( )
( )には「分かる/身に付く・覚えている・忘れる」のどれかが入ります。
正解は、「聞いたことは忘れる」「見たことは覚えている」「やったことは分かる/身に付く」です。
では、「( )ことは使う」の( )にはどんな言葉が入るでしょうか。「ふ(腑)に落ちる」の「腑」とは「心の底」のこと。
口でいくら「分かりました」と言っても、心の底で納得しないとふに落ちないようです。
それでは、心の底で納得するためにはどうしたらいいのか。その答えが「( )ことは使う」につながります。
「気付いたことは使う」もしくは「発見したことは使う」。
要するに、自分で見付けたことは自ら行動に移すということです。
自分で見付けたから忘れにくく、忘れないから使うという単純な原理ですが、そこには「自分で気付いた」という喜びがあることを見逃してはいけません。
自分で答えを見付けた喜びが行動の第一歩になるのです。
自分で考えなくてもすぐに答えが手に入る便利な時代ですが、それが行動に結びついていなければ、その答えにあなたは納得していないのかもしれません。
まずは自分自身や目の前の商売を振り返ってみてください。あなたはその答えに心の底で納得していますか?