2017.04.15更新

 最後まであきらめるな――。

 これは成功者の決まり文句です。

 あきらめずにやり続ければ誰でも成功する。

 しかし、あきらめてしまったらそこで終わり。

 それまでの努力は水の泡。

 あきらめるのは弱い人間のすることだ。

 世間にはそんな風潮がありますが、本当に「あきらめる」ことは悪いことなのでしょうか。

 そもそも「あきらめる」には2つの漢字があります。

 一般的に「あきらめる」といえば「諦める」と書き、その意味は「希望や見込みがないと思って断念する」ですが、実は「諦める」の語源は「明らめる」だそうです。

 「明らめる」とは事情や理由を明らかにすること。

 つまり「諦める」は「明らかに極める」から来ているのです。

 まずは事実や理由をはっきり認識して(明らめる)、その上で状況に合っていなければ断念する(諦める)。

 この流れが本来の「あきらめる」という行動なのでしょう。

 「最後まで諦めるな」ではなく「最後まで明らめろ」であれば、まさしく成功の条件だろうと思います。

 うまくいかないことに固執するとおおむね失敗します。

 そこで諦めて次のチャレンジに目が向かないのは「明らめて」いないからでしょう。

 明らめるとは「受け入れる」ことでもあります。うまくいかない理由を冷静に分析して受け入れなければ、何度も同じことでつまずくのは自明の理。的確な判断は理由を分析して状況を把握することで成し得ます。

 どう考えても無理だと「明らめ」たら、すみやかに「諦める」。

 引き際は企業の存続を左右する非常に重要な判断です。

 明らめるには「心を明るく楽しくして気持ちを晴れやかにする」という意味もあります。

 壁にぶち当たったとき、その壁を乗り越えようとする自分を楽しめているかどうか。

 楽しめていないなら「明らめて」いないのかもしれません。諦めるのが悪いわけではなく、明らめずに諦める夢の途中の行動こそが、それまでの努力を水の泡にしてしまう「もったいない」行為だというわけでしょう。

投稿者: 伯税務会計事務所

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