税務調査はさまざまありますが、おおよそ「課税処分のための調査」「滞納処分のための調査」「犯則事件のための調査」の3つに分類できます。
「課税処分のための調査」とは、課税処分をするための資料を収集することを目的とした調査です。
納税者の申告内容が正しいかどうかを判断するために、帳簿や請求書などの書類をチェックします。
これは国税通則法に規定されている質問検査権に基づく調査になります。
「滞納処分のための調査」とは、滞納になっている税金がある場合、滞納処分手続きをするにあたり滞納者の財産の有無・所在・種類・数量・価額・利用状況・第三者の権利の有無などを明らかにする調査です。
これは国税徴収法による調査となります。
「犯則事件のための調査」は、査察調査のことを指します。
不正の手段を使い故意に税を免れた場合には、正当な税を課すほかに刑罰を科すことが税法に定められています。
この調査は、裁判官の許可を得ているので任意調査ではなく強制捜査になり、実質的には刑事手続きと同じように進められます。
国税庁の発表によると法人税の実地調査件数は、平成24事務年度9.3万件、平成25事務年度9.1万件、平成26事務年度9.5万件となっています。
日本の法人数が約260万社ですから、実地調査は3.5%前後の割合で行われていることになります。