2018.07.15更新

 夏の日差しを受けて植物がぐんぐんと育つ季節。

 見上げるほどの大木を見ると、さぞかし根っこも立派なのだろうと想像します。

 植物の世界には「T/R比」という法則があります。

 地上に見えている幹や茎や葉の部分(Top)と、地下にある根っこの部分(Root)の重さの比率はほぼ一定でバランスを保っているという法則です。

 健全に育っている植物のT/R比は3~4。

 もしも根っこが切れてしまったら、樹木は自ら枝葉を落として正常なT/R比を保とうとするそうです。

 逆に枝葉が折れてしまったら根の量を減らしてバランスを保つという自然界の不思議な法則です。

 地上に見えている部分は全体の7割くらいですが、大きな木を支えているのは言うまでもなく根っこの部分。

 見えていない3割が地下で木を支えているわけです。根っこが十分に発達していないと木は倒れてしまいます。

 地下で根っこが深く広く根ざしていくほどに、地上では幹や葉っぱが縦に横にと伸びていく。

 書籍『奇跡のりんご』で知られる木村秋則さんが「植物を手本にして生きれば、間違いはない」と言うように、植物だけでなく勉強でもスポーツでも商売でも、根っこがしっかりしていることはとても重要です。

 けれど、どうしても表面的なものを求めたり、目先のお金を追いかけてしまったりと、枝葉にばかり意識が向いてしまうことはありませんか。

 それは商売のT/R比が崩れている状態でしょう。

 一見、華やかな成功を収めている人が、実は陰で人の何倍も努力していたという話は美談で終わりがちですが、表面的な結果が大きければ大きいほど見えないところでしっかりと根を張っていることを、改めて心に刻んでおきたいものです。

 ところで「大地にしっかり根を張って」という話をすると、その大地がもともと荒れ果てていたら根の張りようがないと返す人がいます。

 何でも環境のせいにしていては、根を張る前に種まきさえもできません。

 数ミリでも隙あらばコンクリートの割れ目からも顔を出す雑草のたくましさがまぶしく感じられます。

投稿者: 伯税務会計事務所

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