入ってくるお金を増やすか、出ていくお金を減らすか。
これは商売を改善するためのひとつの考え方です。
入ってくるお金が増えなければ、出ていくお金を抑えるしかないと節約に励む家庭の主婦同様、商売でもコスト削減は必須ですが、むやみなコスト削減は社内の士気を下げ、社員のやる気が低下すれば生産効率も低下します。
どこを削って、どこにお金をかけるのか。その見極めに悩む経営者は、節約上手な主婦の発想を参考にしてはどうでしょうか。
家庭の主婦であれば、どんな状況下でもまず守るべきは家族だとしっかり認識しています。
家族を守ることの筆頭は健康です。
どんなに食費を切り詰めても、その範囲で可能な栄養バランスを考え、節約料理のバリエーションに知恵を絞ります。
今はディズニーランドに行けなくても、健康でさえあればいつか家族全員でミッキーマウスと記念写真を撮れるでしょう。
その日のために家族の健康を守るべく、主婦は今日もチラシをくまなくチェックして、底値を求めて遠いスーパーまで自転車を走らせるのです。
商売が繁盛しているある会社の社長は、さぞかし豪華だろうと思いきや、外観も室内も拍子抜けするほど地味で殺風景。
その理由を尋ねると「お客さまへのサービス提供と関係ないものには一切お金を使わない主義なんです」とのこと。
例えば会社の内装にお金をかけてしまうと、提供するサービスの価格も高くしなくてはならない。
価格を高くすれば宣伝広告も必要となり、それに伴い仕事量が増えてしまう。
その社長は効率を重視した仕事ぶりで知られていますが、顧客のためにならない出費はしないというポリシーが効率化の最大の柱だそうです。
あなたは、誰のためなら節約料理のバリエーションを増やそうと思えますか?
何のためなら遠くのスーパーまで自転車を走らせることができますか?
節約上手な主婦の発想を参考にすれば、最終的な目的を明確にすることで、お金をかけるところ・削るところの見極めがつくのではないでしょうか。