国税庁から2018年度の査察の概要が発表されました。
査察制度は、悪質な脱税者に対して刑事責任を追求し、その者を罰することで他の人々が同じような過ちを犯さぬよう戒め、適正で公平な課税の実現と申告納税制度を維持することを目的としています。
今回、発表された査察による告発件数は121件でしたが、中でも消費税の還付制度を悪用した「消費税受還付事案」、故意に申告しない「無申告ほ脱事案」、海外取引を悪用した「国際事案」など重点事案と呼ばれるもので全体の半数近くを占めていました。
消費税受還付事案は、2014年の告発件数は5件で約1億円の不正還付額だったものが、今回は16件で約19億円と急激に増加しており、未遂犯についても過去最多の告発件数でした。
また無申告ほ脱事案の告発件数は18件、国際事案の告発件数は20件で、これらを含む脱税総額は112億円でした。
そして2018年度中に一審判決が言い渡された件数は122件で、その全てに有罪判決が出され7人に実刑判決が下されました。
中でも最も重い実刑判決は懲役4年6カ月でした。
売り上げの除外や架空経費を計上するなど告発とまではならないものの所得隠しを行えば本来、納めるべき税金の他に重加算税や延滞税などが課されます。
それこそ割に合いません。
適正な納税による健全な経営が最強ですね。