「タックスヘイブン」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
タックスヘイブンとは「租税回避地」のことであり、課税が完全に免除されたり著しく軽減されている国や地域を指します。
つまり税制が優遇されている場所のことです。
その中でも特に有名なのはケイマン諸島やバージン諸島などが挙げられます。
多国籍企業や富裕層が税金から逃れるために、これらの国や地域に多額の資産を移しているのが現状です。
極端な場合では、脱税行為やマネーロンダリング、テロなどの犯罪の資金に悪用されるケースもあるようです。
このように以前より問題視されてきたタックスヘイブンですが、2021年に開催された先進7カ国の財務大臣による会合(G7)で、課税逃れに対する国際ルールが合意されました。
この会合では法人税率の引き下げ競争に歯止めをかける共同声明が出され「最低税率15%以上」を目指す方針で一致しました。
とはいえ、色々な利権や思惑が錯綜(さくそう)する中、今後は先進国のみならず新興国も交えた交渉で、どのような国際的な結束を見せられるかが問われてくるでしょう。
しかし今回の会合で合意されたタックスヘイブン対策は、大きな時代の変革であることは間違いなさそうです。
ちなみに、ときどきタックスヘブン(税金天国)と勘違いしている人もいるようですが、それは間違いです。