「平成の経営の神様」稲盛和夫さんが亡くなりました。
そのため「昭和の経営の神様」松下幸之助との共通点に言及した記事をよく目にします。
最大の共通点は、経営に「哲学」を持ち込んだこと。この意見には深く納得しました。
松下幸之助は「人間探求」と「宇宙の法則」を説き続けました。稲盛さんの経営哲学は、あの有名な「京セラフィロソフィ」です。その基本は「全社員の物心両面の幸福を追求」。
経営破綻したJALを再建するために乗り込んだときの「JALフィロソフィ」の冒頭にも、この言葉が書かれていました。
これは稲盛さんが実践を通して得た人生哲学であり、根底には「人間として何が正しいか」という問いかけがありました。
物事を判断するとき、常に「これは人間として正しいか」を自分に問いかけていたのです。
経営者としてはもちろんですが、稲盛さんが唱える「六つの精進」などを読むと、人間力の高さにも圧倒されます。
「誰にも負けない努力をする」「謙虚にしておごらず」「反省のある毎日を送る」「生きていることに感謝する」「善行、利他行を積む」「感性的な悩みをしない」。
立派すぎて引け目を感じてしまうほどですが、最も見習いたいところは未来を信じる力です。
稲盛さんは常に「私にはすばらしい人生がひらかれている」と思い続けてきたそうです。
「非常に単純なことですが、自分の未来に希望をいだいて明るく積極的に行動していくことが、仕事や人生をより良くするための第一条件」だと語っていました。
つい不平不満を言いたくなるご時世ですが、希望を持ってとにかく行動することは、今この瞬間からできそうです。