今では当たり前のことにも、たどれば原点があります。
例えば宅配の「時間指定」というサービス。もとは1985年にヤマト運輸が始めた「在宅時配達制度」が原点でした。
配達先が留守の場合は不在連絡票を入れ、夜は20時までに配達し、不在の場合は翌日の午前中に再配達するなどのルールを決めて、徹底的に顧客の立場に立つことでサービスレベルを向上させたそうです。
それから40年。「置き配(おきはい)」の登場で、物流業界の常識が変わろうとしています。
お客さまがあらかじめ指定した場所に、荷物を置いていく非対面の置き配サービスは、人から人への対面商売を大事にしてきた日本人にとって、機械的で盗難の心配もあり、そもそもサービスレベルが低いとみられていました。
ところが、サービスの一環として「置き配」を指定できるようにしたところ、配達方法を自分で選択できることが価値になり「むしろ置き配はサービスレベルが高い」という認識に変わってきたのです。
常識も情報もソフトウエアも、あらゆるものが日進月歩でアップデートされていきます。
そんな中、いちばんアップデートしておきたいのは「モノの見方や考え方」といった感覚ではないかと思います。
今、世の中で何が起こっているのか。それを自分はどう捉え、どう行動するのか。これは商売に直結する重要な感覚です。
最近、何かとケチをつけたくなるとしたら、自分の感覚が「こだわり」という頑固さでさびついているのかもしれません。
それに気づくことがアップデートの第一歩。つまり自分自身のアップデートこそが今後の商売に大きな影響を与えていくのでしょう。