2014.12.15更新

 年の瀬には新年に向けて「新品」を揃えたくなるものです。

 そんな心理を知ってか知らでか、この時期になると風水で金運がアップするという「黄色い財布」の広告をよく見かけます。

  もちろん黄色い財布にかえただけでお金が貯まるわけはなく、大前提として「基本」というものがあります。

 例えば風水では、「水まわりをきれいにして風通しをよくしましょう」などといわれますが、ふだんの環境を整えることで「良い気」を呼び込み、結果として金運がアップしたり運気が良くなったりすると考えるのが自然でしょう。

 商売をやっている人の中には縁起や験(げん)を気にする人が少なくないようです。

 昔から言い伝えられてきたことは、言わば先人の知恵のようなもの。特に年末年始のような大きな区切りのタイミングには、襟を正す意味も込めて縁起や験をかついでおくと何かご利益に授かれるような気もします。

 しかしながら「黄色い財布」の効果と同じく、いちばん大事なのは「ふだんの心がけ」であることはいうまでもないでしょう。

 人生の処世哲学書として三百年以上も読み継がれてきた『菜根譚(さいこんたん)』の前集16項「四つの戒め」に、「利益は人より先に飛びつくな。善行は人に遅れをとるな。報酬は限度を超えてむさぼるな。修養はできるかぎりの努力を怠るな。」とあります。

 強調より協調を、競争より協奏を。日頃からそんな心持ちで仕事をしていれば、商売の神様も喜んで味方してくれるというものでしょう。

 ところで、「金運アップの財布なんて子ども騙しを誰が買うのかと思っていたら、夫のお財布がいつの間にか黄色にかわっていた」と笑うのはある社長の奥様。

 「財布より妻を大事にしたほうがいいことあるよ」と手厳しいご意見ですが、確かにどんな縁起をかついだところで、ふだんから自分を気遣ってくれる人をないがしろにするようでは商売がうまくいくとは思えません。

 慌ただしい年末年始ですが、どうか「ふだん」を大事にお過ごしください。

投稿者: 伯税務会計事務所

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