【笑顔で施す】
2019.08.15更新
その会社にいつもやってくる宅配便の青年は、女性社員たちのアイドル的存在だといいます。
青年が「こんにちは!○○急便です」と会社のドアを開けるとオフィスにいる女性社員たちが寄ってきて、あれこれ青年に話しかけるのだそうです。
そして夏なら冷たい飲み物を、冬なら温かい飲み物をすすめ、お茶の時間用にと用意してあるお菓子を持たせてあげるのだとか。
この様子を見ていた男性営業マンが「別にカッコイイわけでもないのに、なんで彼ばっかりモテるのかねぇ」とすねてみせると、1人の女性社員はこう言ったそうです。
「あんなにニコニコされたら、もっと喜ぶ顔が見たいって思うじゃない」。
お釈迦(しゃか)様の教えのひとつに「布施行」があります。
施しをして、執着を捨て、こだわりを減らしましょうということだそうです。
お布施と聞くと、お金や財物を施す「財施」を思い浮かべる人が多いように思いますが、だとしたらお金や財産がない人はお布施ができないのでしょうか。
もちろんそうではなく、誰でも、いつでも、その場で、簡単にできるお布施があります。
お釈迦様はそれを「和顔施(わがんせ)」、または「顔施(がんせ)」と言っています。
和顔施は仏教用語の「無財の七施(むざいのしちせ)」のひとつで、人に対して笑顔で優しく接することです。
いつもニコニコしていれば、それだけで施しになるようです。
宅配便の青年が多くの人から愛されているのは、自然と和顔施をしていたからなのでしょう。
商売をうまく軌道に乗せたいならば、今すぐニコニコしてみましょう。
和やかな笑顔で人に接していれば、きっと周りの人を幸せにできます。
うれしいことや楽しいことがあったら素直に顔や態度に出して、できれば相手の幸せも笑顔で一緒に喜びたいものです。
悲しいことや辛いことが起きても、とりあえず鏡の前でニコニコの練習をしてみる。
お客さまのために、従業員のために、会社のために、あなたが今すぐできることが和顔施なのです。
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