2017.11.01更新

 「結婚して30年以上が経ちます。

 結婚当初に購入した現在の住まいはずいぶん古くなり、あちらこちらで修繕が必要になってきました。

 そのためこの機会に、建て替えをしようと思っています。

 資金については私の退職金を利用するつもりですが、建物の所有権登記では妻にも2000万円程度の持分を持たせたいと思っています。

 このような状況ですが、贈与税がかからない方法はないものでしょうか?」といったご質問がありました。

 結論から言いますと、今回のご質問者の場合は「贈与税の配偶者控除」という特例を適用すれば贈与税はかかりません。

 これは婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除110万円のほかに最高2000万円までの控除(配偶者控除)ができるという特例です。

 ただし、同じ配偶者からの贈与については、一生に一度しか適用を受けることができません。

 また日本国内にある居住用不動産が対象になるため「海外移住をするため海外での住まい購入の際に利用する」ということもできません。

 その他には、贈与税はかかりませんが不動産取得税や登録免許税はかかります。

 また建物の持分により相続時の小規模宅地等の特例や、譲渡時の居住用財産の3000万円特別控除等を利用する際の適用要件に影響しますので注意が必要です。

投稿者: 伯税務会計事務所

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