2021.04.01更新

 住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)制度が今の低金利時代に合っていないという指摘があり、政府が見直しを検討しているようです。

 住宅ローン控除とは、新築など一定規模の住宅を取得しようとその資金を銀行などから借り入れした際、ローンの借入残高の1%を限度として所得税額から控除を受けられる制度です。

 この制度の役割としては、住宅ローンの返済負担を軽減させることでその後の生活不安を解消し、スムーズに事を運ぶことができる「住宅投資の喚起効果」であったり、住宅の取得に伴う家電や家具などの耐久消費財の購入による「景気の刺激効果」などがあります。

 しかし、今の低金利時代において現行の借入残高に対して1%の所得税が控除されるという仕組みは、時代に合っていないとの見方があるのも事実です。

 現実的には住宅ローンの金利を1%未満で借りている人も多く、支払利息の負担を軽くする制度だったのが、実のところ支払利息を住宅ローン控除の額が上回る「逆ざや」になる現象が起きてしまっている場合もあり、これが問題視されるようになりました。

 2020年に一度、見直しが検討されたものの現状のままで据え置かれました。しかしながら上記のような実態を踏まえて、近い将来は住宅ローン控除制度が本格的に見直しされるかもしれませんね。

投稿者: 伯税務会計事務所

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