2024.11.15更新

 商売においてお金はとても大事なものですが「お金で買えるものと買えないもの」は、区別したいものです。

 例えば「薬」は買えても「健康」は買えません。「肉」は買えても「筋肉」は買えません。

 お金で物は手に入っても、健康や筋肉は本人の努力や習慣のたまものです。

 成功者がSNSで筋肉や美をアピールするのは、お金があるだけでは手に入らないことを実感しているからでしょう。

 健康や筋肉は、それほどまでにステータスなのです。

 また「本」は買えても「知識」は買えません。

 本の内容を自分の言葉で語れるようになって初めて「知識」になるとしたら、その背景には勉強や志といった、お金で買えないものが存在しています。

 さらに今どきは「友達」や「出会い」も買えます。

 趣味のサークルに会費を払って参加したり、有料の婚活アプリに登録したりと、楽に人と知り合えるチャンスが増えたのは良いことだと思います。

 しかし人間関係を深めていこうと思ったら、素直に自己開示するオープンマインドやコミュニケーションスキル、思いやりや感謝といった人間力が必要となります。

 つまり「友達」や「出会い」は買えても「友情」や「愛」は買えないというわけです。

 経営者にとって耳が痛いことを言うならば「地位」は買えても「尊敬」は買えません。

 「会社」は買えても「実績」は買えません。

 その理由は言うまでもなく、だから商売は大変で、だから楽しく、すべて自分次第だと思えば、何を大事にするかが見えてくるのではないでしょうか。

 最後に「家」は買えても「家庭」や「家族」は買えません。

 当たり前に思っている日々の尊さが改めて身に染みますね。

投稿者: 伯税務会計事務所

2024.10.15更新

 「初心忘るべからず」。

 人生の中で何十回も見聞きしたこの言葉は、もともと世阿弥(ぜあみ)の『風姿花伝(ふうしかでん)』の中に記されたものです。

 能楽の文脈で語られた教えが、商売の世界にも通じる普遍的な知恵であることを今一度、思い出してみたいと思います。

 経営者にとって「初心」とは創業時の志や熱意を指します。

 なぜ会社を立ち上げたのか。誰のために何を実現しようとしたのか。

 商売を続けていく上で、初心は原点でもあります。

 同時に「初心」には、常に新たな気持ちで臨むという意味もあります。

 商売が上向いてくると、慢心やおごりが生まれやすくなります。

 しかし市場は絶えず変化し、新たな課題が次々と生まれます。

 そのたびに初心者の目線で状況を見直し、柔軟に対応する姿勢を忘れないようにしたいものです。

 また「初心忘るべからず」の精神は、イノベーションの源泉にもなります。

 今までの成功体験に安住せず、新しい価値を作り続けていく挑戦こそが、商売の持続的成長には不可欠でしょう。

 さらには、顧客や従業員との関係性にも応用できる考え方です。

 商売が拡大すると、個々の顧客や従業員との距離が遠くなりがちです。

 新規顧客や今の従業員はもちろん大切ですが、創業期からのご縁に対する感謝を忘れていないでしょうか。

 今は関りがないとしても、会社を支えてくれた大事なご縁に違いはありません。

 「初心忘るべからず」は単なる格言ではなく、日々の意思決定や行動の指針となる極めて実践的な心構えです。

 現状が良くてもそうでなくても、日々初心にかえることができたら、商売も人間性も真の意味で成熟していけるように思います。

投稿者: 伯税務会計事務所

2024.09.15更新

 仕事上で意見が割れたとき、あなたはどう対処しますか?

 孔子の『論語』にこんな一節があります。「君子和而不同(君子は和するも同ぜず)」。

 これは「人と協力することはあっても、人の意見や態度にむやみやたらに同調しない」という教えです。

 この簡潔な一節には、商売の神髄ともいえる深い英知が秘められています。

 和するとは調和を保つこと。同ぜずとは、自身の個性を失わないこと。

 この、一見相反する2つの要素のバランスこそが、商売の成功へとつながる道だと思います。

 たとえ少人数の会社でも、時には意見の食い違いから衝突することもあるでしょう。

 しかしその中で調和を見出しつつ、各々が自身の独自性を失わない。

 そう簡単にはいかないものではありますが、そこに価値ある対話が生まれるのは確かです。

 調和を保つとは単なる同調ではありません。それは相手の立場を理解し、尊重する姿勢です。

 経営者といえどもチームの一員と捉えれば、全体の調和を乱さない配慮を持ちつつ、同時に自分自身の信念や創造性を失わない。

 この絶妙かつ微妙なバランスを保つことこそが、真のリーダーシップだと孔子は述べています。

 調和を重んじるあまり自己を殺してしまったり、逆に自己主張が強すぎて周囲とのあつれきを生んだりすることもありますが、その狭間で揺れ動くのが経営者かもしれません。

 だからこそ孔子は「和して同ぜず」を「君子」の特質としてあげ、理想の姿として私たちに示したのでしょう。

 日々の決断の中で調和と個性のバランスを取り続ける。その積み重ねがやがて企業文化となり、会社の個性となっていくのではないでしょうか。

投稿者: 伯税務会計事務所

2024.08.15更新

 商売をしていれば、厳しい環境や予期せぬ困難にしばしば直面します。

 しかし逆境の乗り越え方で、その後の成り行きは大きく変わります。

 いわゆる成功者と呼ばれる人に共通しているのは、決してネガティブな状態にとどまらないというマインドセット。

 彼らは自分のマインドをコントロールし、精神的な圧力を乗り越え、ポジティブな視点を持つ方法を知っています。

 そのひとつは、流れが悪い状況で勝負しないこと。どんなに頑張っても評価されない、認められないという状況はあります。

 そこでもがいても事態は好転するどころか、ますます泥沼になってしまうこともあります。

 非常に悔しい状況ではありますが、ここで大事なのは「今は流れが悪い」とはっきり認識することです。

 流れが悪いときに「勝ちたい」「評価されたい」と努力をしても、状況は容易に変わりません。

 そんなときは「今は勝負するときではない」と割り切り、周囲の評価を気にせず、日々の仕事に集中することが賢明です。

 あれこれ動きすぎないほうが、かえってよい流れをつくっていくこともあります。

 無駄な労力を消費せず、淡々と自分の能力を高め、次の来るべきときに備えることに力を注ぐ。逆境の中で静かに力を蓄えておけば、ここぞという好機ですぐ行動に移せるでしょう。

 そしてもうひとつ「気にしない」という鈍感力も逆境に強くなるマインドセットとして覚えておきましょう。

 困難な状況は永遠に続くわけではありません。

 どんなときもネガティブになり過ぎず、うまくいかないと感じたら「まぁいいか。こんなときもあるさ」と声に出して深呼吸でもしてみましょう。きっと大丈夫です。

投稿者: 伯税務会計事務所

2024.07.15更新

 今では当たり前のことにも、たどれば原点があります。

 例えば宅配の「時間指定」というサービス。もとは1985年にヤマト運輸が始めた「在宅時配達制度」が原点でした。

 配達先が留守の場合は不在連絡票を入れ、夜は20時までに配達し、不在の場合は翌日の午前中に再配達するなどのルールを決めて、徹底的に顧客の立場に立つことでサービスレベルを向上させたそうです。

 それから40年。「置き配(おきはい)」の登場で、物流業界の常識が変わろうとしています。

 お客さまがあらかじめ指定した場所に、荷物を置いていく非対面の置き配サービスは、人から人への対面商売を大事にしてきた日本人にとって、機械的で盗難の心配もあり、そもそもサービスレベルが低いとみられていました。

 ところが、サービスの一環として「置き配」を指定できるようにしたところ、配達方法を自分で選択できることが価値になり「むしろ置き配はサービスレベルが高い」という認識に変わってきたのです。

 常識も情報もソフトウエアも、あらゆるものが日進月歩でアップデートされていきます。

 そんな中、いちばんアップデートしておきたいのは「モノの見方や考え方」といった感覚ではないかと思います。

 今、世の中で何が起こっているのか。それを自分はどう捉え、どう行動するのか。これは商売に直結する重要な感覚です。

 最近、何かとケチをつけたくなるとしたら、自分の感覚が「こだわり」という頑固さでさびついているのかもしれません。

 それに気づくことがアップデートの第一歩。つまり自分自身のアップデートこそが今後の商売に大きな影響を与えていくのでしょう。

投稿者: 伯税務会計事務所

2024.06.13更新

 会社の衰退の要因は色々ありますが、その中でも「社員の姿勢」は重要な役割を果たします。

 特に「素直さ」や「誠実さ」に欠ける姿勢は結果的に顧客軽視となり、会社の命運を左右することがあります。

 素直さとは、新しい知識や技術を学び、自己改善を図る基盤です。

 素直でない社員は批判を受け入れられず、成長の機会を逃します。

 これは組織全体の進歩を妨げる要因となり得ます。

 誠実さは、信頼関係の構築に不可欠です。誠実でない社員は、同僚や顧客との信頼を築くことができず、結果としてチームワークや顧客満足度の低下を招きます。

 ここまで読んで、特定の社員の顔が浮かんだ人もいるかもしれません。「だからあいつは顧客のウケが悪いし、そのせいで会社の評判が下がっている」といった感じでしょうか。

 けれど周囲や世間の人は、あなたと違った見方をしているかもしれません。すなわち、社員の姿勢は経営者の姿勢。一番見られているのは経営者自身というわけです。

 では、経営者にとっての素直さ、誠実さとは何でしょうか。

 まず素直さは、自分の意見や考えに固執せず、他者の意見や新しい情報を受け入れる柔軟性だと思います。

 こうした姿勢の経営者は、常に学び、自己改善に励み、組織の成長に貢献しているのではないでしょうか。

 次に誠実さは、言動が一致して、正直で公正な行動を取ることだと思います。

 誠実な経営者は、社員のみならず、顧客やビジネスパートナーとも三方よしの関係を築いているように思います。

 キャリアが長くなればなるほど失われがちな素直さ、誠実さですが「実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな」の姿勢でありたいものですね。

投稿者: 伯税務会計事務所

2024.05.15更新

 「あと1時間あれば・・・」と思うことはありませんか。

 これは、ある大学での話です。

 世界的なベストセラー『7つの習慣』を取り上げた講義の中で、教授が生徒に聞いたそうです。

 「1日が25時間になったら、あなたは増えた1時間を何に使いますか?」。

 この質問は『7つの習慣』で提唱している「時間管理のマトリックス」という時間の使い方を意図したものでした。

 多くの人は日常の大半を、期限のあることや差し迫った問題など「緊急かつ重要」なことに使っているが、人生を豊かにしたければ「緊急ではないけれど重要」なことに取り組んでいくとよいという提案です。

 「緊急ではないけれど重要」とは、心身のリラックス・新しいことへのチャレンジ・運動・家族との時間など、自分を成長させる学びやワクワクする喜びなどのことであり、その最たるものは「自分が本来やりたかったこと」です。

 やったほうがいいと思っているけれど、つい後回しにしていること。

 そのうちやろうと思っているけれど、なんとなく先送りにしていること。

 商売でも思い当たる節はありませんか。

 とはいえ、いくらワクワクする時間の使い方を想像しても、実際に1日が25時間になるわけではありません。

 だからこそ、この架空の1時間を24時間の中で意識的に作り出せたら、商売も人生もより充実するでしょう。

 「意識が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人生が変わる」といわれます。

 時間を増やせば解決すると思っているうちは、いつまで経っても「あと1時間あれば・・・」のまま。

 時間の使い方で商売も人生も激変する可能性があるのです。

投稿者: 伯税務会計事務所

2024.04.15更新

 人には色々な能力があります。「お金を稼ぐ力」もひとつの能力でしょう。

 お金を稼ぐ力とは、単なる儲け方のノウハウなどではありません。

 例えば、付加価値を生み出す力。さらにはお金を稼ごうとする意欲や貪欲な姿勢も「稼ぐ力」ではないでしょうか。

 商売をする上でもお金を稼ぐ力はとても重要です。

 ところが世の中には、お金を稼ぐ力はあるのに商売がうまくいっていない人たちもいます。

 つまり大成功している人たちは「お金を稼ぐ力」のほかにも商売における大事な能力を持っているのでしょう。

 それは「お金を生かす力」ではないかと思います。

 お金を稼ぐのが上手な人は、お金の生かし方も上手かと思いきや「稼ぐ力」と「生かす力」は別物で、稼いだお金を生かせない人は少なくありません。

 ではお金を生かすとはどういうことでしょうか。

 「お金を生かす=お金を増やす」と思っている人は、稼いだお金を投資などで運用して増やそうとするかもしれません。

 それもひとつの生かし方ではありますが、商売を続けていくには守りの姿勢が大事なときもあります。

 「増やす」より「減らさない」で維持しておく。次の展開のために稼いだお金をしっかり蓄えておくことも、お金を生かす大事な一面だと思います。

 現に大きく稼いでいないのに商売が順調に続いている人たちは、大勢います。

 稼ぐ力と生かす力。どちらも商売に欠かせない大事な能力ですが、稼ぐ力があると、うっかり調子に乗ってしまうのが人間のかわいいところです。

 億単位のお金を稼いでも、その稼いだお金で何をするかが肝心なのは言うまでもありません。

投稿者: 伯税務会計事務所

2024.03.15更新

 「兆」を含んだ漢字の「挑」と「逃」がインターネットで話題になっているようです。

 「兆」を前にしたとき「挑む」か「逃げる」か。

 ダジャレのような言葉遊びですが、これを読んだときパウロ・コエーリョの『アルケミスト 夢を旅した少年』という小説を思い出しました。

 羊飼いの少年が「前兆」に従って自分の夢を追いかけていく冒険を描いた世界的なベストセラーです。

 著者のパウロ・コエーリョは「未来の前兆は、今にある」と言っています。

 つまり未来に起こることは必ず今に兆しがあり、今に集中することで私たちは、未来の変化に対応できるようになるというのです。

 私たちは未来に不安を覚えたり恐れたりしがちですが、未来は「今」の延長線上にしかありません。

 言い換えれば、今の決断や行動が自分の未来を作っているわけです。

 「兆」を前にしたとき「挑む」か「逃げる」か。夢があれば挑み続けようという考え方は正論ですが「挑む」は少し重い気がするので「挑む」を「行動」に変えて考えてみましょう。

 成し遂げたいことがあれば、小さなことでもいいからとにかく行動する。

 後回しにしたり失敗を恐れて何もしなかったりすると、貴重な「今」を失ってしまう。

 それは自分の未来を無駄にしているのと同じこと。

 だから自分が良いと思ったら、とにかく何でもやってみる。

 人生がうまくいっている人は、体験や出会いがチャンスを運んでくることを知っているので行動を惜しまないのでしょう。

 何が起こっても不思議ではない世の中です。

 今に集中して、兆しを見逃さず、次の行動を起こす。

 そこには未来へのヒントやチャンスがきっとあるはずです。

投稿者: 伯税務会計事務所

2024.02.15更新

 時間に対する考え方や習慣と年収の関係を調べた調査結果があります。

 年収400万円台の人たちと1500万円以上の人たちに「人生の目的や目標を常に意識している」「仕事の目的や意味を常に考えている」「やりたいことリストを作っている」などの質問をしたところ、どの設問に対しても「○」と答えた率が高かったのは年収1500万円以上の人たちでした。

 つまり年収の差を生む要因のひとつは「時間」に対する考え方で「時間」の意識が高い人ほど、成功の確率が上がるのかもしれません。

 際限なく増やしたり貯めたりできて、しかも貸し借りまでできるお金に対して、増やすことも貯めることも貸し借りもできず、一度失うと二度と取り戻せない時間のほうがはるかに大切な資源だというのは、商売をしている人なら常々感じていることでしょう。

 しかし「多くの経営者は、その時間の大半を“昨日”の諸問題に費やしている」(ピーター・ドラッカー)。

 これが現実かもしれません。

 西洋のことわざは「時は“金”なり」ですが、商売上手で知られる華僑の人たちは「時は“命”なり」というそうです。

 これは相手の時間に対しても同じでしょう。

 例えば商談のために1時間作ってもらうのであれば、商談相手の命の中の1時間分を分けてもらっていると考えるのです。

 商談に15分遅れたら相手の命を15分間ムダにしたことになります。

 何の準備もなしに商談をしたら、相手の命はもちろん自分の命も無駄遣いです。

 改めて時間の重要性に意識を向けてみたいですね。

 濃密で意義のある時間を過ごせるかどうかは、商売の成功と共に豊かな人生のためのテーマではないでしょうか。

投稿者: 伯税務会計事務所

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