【商売の主導権はどこにある?】
2019.11.15更新
「人生でいちばん無駄なこと」は何だと思いますか。
「○○すること」の○○を考えてみてください。
ある人は「執着すること」だと答えました。
「競争すること」と言った人もいます。
どちらも一理あると思いますが、心理学的にいう「人生でいちばん無駄なこと」は「比較すること」だそうです。
実際、私たちは何かにつけて比較しています。
人の持ち物と自分の持ち物。
人の意見と自分の意見。
人の幸せと自分の幸せ。
つまり「他人」と「自分」を比べているわけです。
なぜ比較することが無駄なのか。
それは、他人と自分を比較すると自分の感情が揺れるからです。
何かを比較するとき、私たちは無意識のうちに優劣をつけています。
それだけでなく、自分が決めた優劣で安心したり落ち込んだりします。
けれど、比べる相手が代われば安心が心配になったり、今まで良いと思っていたことが揺らいだりするのは皆さんも体験的にご存じでしょう。
つまり、他人と比べて手に入れた(と思っている)安心や成功や幸せは、とても不安定なのです。
商売において不安定な要素はできるだけなくしたいと思っているのに、そう考えている自分自身がいちばん不安定な要素だというのは皮肉なものです。
周りに気を取られ、他人を気にしすぎている状況は、主導権を他人に渡しているのと同じことです。
商売に集中しているつもりが、実は大事な商売の主導権を他人に渡しているとしたらどうでしょう。
禅の教えに「明珠在掌(みょうじゅたなごころにあり)」という言葉があります。
「明珠」とは光り輝いている玉のこと。計り知れないほど価値がある宝物のたとえです。
「在掌」とは「その手の中にある」ということ。
つまり「かけがえのない宝物はすでにあなたの手の中にありますよ」という意味です。
成功や幸せを考えるとき、私たちはつい「他人の手の中」を見てしまいがちです。
でも、無駄な時間を過ごしたくなければ「自分の手の中」を見ることです。
自分が本当にやりたいことは何か。
それが周囲と調和していれば、商売はおのずと良い流れに乗っていくのではないでしょうか。
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