2013.09.15更新
ある女性フィットネスインストラクターにヨガを習うと、たとえ初心者でも上手にヨガのポーズができている気になるそうです。
体調不良の人が彼女のレッスンを受けると、なぜか「今日は調子がいい」と思えてくるとか。彼女が特別な技能を持っているわけではないそうですが、ある面においては一流なのでしょう。
それは、彼女はどんなときも、誰に対しても、マイナスを口にしないというとこです。
相手が愚痴ろうが後ろ向きなことばかり言おうが、彼女は必ずプラスの言葉を返すのだそうです。かといって、「大丈夫!」「あなたならできます!」と単に発破をかけるだけのポジティブシンキングではないようです。
「なかなか上達しない」と嘆くと、「同年代の方に比べたらよく体が動いていますよ」と励ましが返ってきます。
「今日は調子が出ないな」とふて腐れ気味の人に対しては、少しでもできているところを最大限にクローズアップして「今日も収穫がありましたね」と声がけします。
こうしてプラスの言葉をシャワーのように浴びているとだんだんその気になってくるもので、彼女のレッスンを受けた人は「自分はまだまだいける!」とエネルギーが湧き上がってくるそうです。
人をその気にさせることにおいて、彼女は一流の指導者と言えるのではないかと思います。
彼女のように「自分はいける!」と思わせてくれる人が周りにいる経営者は幸せ者です。
しかし、社員をほめることはあっても自分がほめられる機会が少ないのが経営者です。
だから経営者は、自分で自分をその気にさせ続けていく努力や工夫が必要なのかもしれません。
毎晩、寝る前に次の言葉を自分に問いかけてみてください。
「今日は何をしましたか?」。本を読んだ、講演を聴いた、人に会った、なんでもかまいません。
何も思い浮かばない日は、とにかく「今日も良くやった」と自分で自分をねぎらいましょう。
自分をその気にさせる一流の指導者は、自分自身にほかなりません。
投稿者: 伯税務会計事務所
2013.08.15更新
全世界で2000万部以上を売り上げ、いまだに売れ続けている成功哲学の名著『7つの習慣』(スティーブン・R・コヴィー)に「Win-Win(ウィン・ウィン)」という言葉が出てきます。
「Win」とは「勝つ」という意味で、Win-Winとはすなわち、自分も勝ち、相手も勝つことです。
関係する両者ともにメリットがある状態を「Win-Winの関係」だとして、例えばビジネスならいい競争をすることで両者が儲かり、お客様が喜んでくれれば会社も儲かり、地域社会が活性化すれば近所の店がみんな儲かるといった考え方です。
『7つの習慣』が大ヒットしたことで世界的に一躍脚光を浴びた「Win-Win」ですが、考えてみれば昔の日本人は「Win-Win」を商売の信条にしていました。
大坂商人、伊勢商人と並ぶ日本三大商人のひとつ、近江商人の心得に「売り手よし、買い手よし、世間よし」の「三方よし」があります。売り手の都合だけで商いをするのではなく、買い手が心の底から満足して、さらには商いを通じて地域社会の発展に貢献る。
売り手・買い手・世間(地域社会)の三方に良い商売こそまっとうな商売だという考え方は、まさに「Win-Win」でしょう。
江戸から明治にかけて、近江商人は「三方よし」で信用を得て日本各地で活躍したのです。もうひとつ、これまた近年注目されている言葉に「ホスピタリティ」があります。
「思いやり」とか「心からのおもてなし」などと訳され、外資系ホテルのリッツ・カールトンやディズニーランドのサービスは「ホスピタリティにあふれている」と賞賛されますが、「おもてなしの心」は日本人のお家芸だったはずです。
「せっかくだからもっと喜んでもらいたい」「そのためには何ができるだろう」。こうした細やかな気遣いや配慮の精神は、私たちの心や体の中に脈々と受け継がれているのです。
スマートな外来語に踊らされず、ここでもう一度、「古き良き商売魂」を再認識しておこうではありませんか。
先人たちに学び直すことはたくさんありそうです。
投稿者: 伯税務会計事務所
2013.07.15更新
メタボなお腹を気にしているある男性が、毎日30分のウォーキングを始めました。
3週間ほど続けたところで周囲から「痩せたね」と言われるようになり、あと5キロ体重を落とそうと気合いを入れ直した途端、なかなか体重が減らない停滞期がやってきました。
彼は体重計に乗るたびに「また今日も減ってない」とガッカリして、結局1ヶ月半ほどでウォーキングをやめてしまったそうです。「体重が減らないからウォーキングがつまらなくなった」その気持ちはよくわかります。
ただ数字だけを追っていると、いずれは飽きてしまうでしょう。目標を立てるときは、具体的な数字を示した「数値目標」が望ましいと言われます。
目標値が明確であれば評価が可能になり、達成感を得やすいからです。
しかし、数値目標が目先の数字を追いかけるだけのゲームになってしまったら、数字をクリアしたときは満足できても結果が出ないとき
には粘り抜けません。
思うように進まなくても飽きずに努力を続けていくには、数値目標の先に「何か」が必要です。
「何か」とは、いわゆるイメージです。
先ほどの男性ならメタボが解消されて体調が良くなり、さらには痩せてスーツが似 合うようになった自分を「最近○○さん素敵になったわね」と女子社員がうわさして、おおいに自尊心をくすぐられる。
そこまでのイメージをしっかり描いていたら目先の数字ではなく、そのイメージを追い続けてもう少し頑張れたかもしれません。
例えば社員が個人の数値目標を立てるとき、その数字が会社から一方的に与えられた売上目標のようなものであれば、ウォーキングの男性と同じことが起こるでしょう。
売上目標はもちろん大事ですが、数字の根拠となるイメージはもっと重要です。売上目標という数字の先にあるビジョンを社員がイメージできる工夫をしているかどうか――。
せっかく目標を立てるのなら闇雲に数字を追うのではなく、経営者も社員もワクワクするような楽しいビジョンを共有しようではありませんか。
投稿者: 伯税務会計事務所
2013.06.15更新
5月に行われた「カンヌ国際映画祭」に数年前から「アトリエ」という部門が新設されました。
企画段階のシナリオを約15本選び、その監督やプロデューサーをカンヌに招待し、映画祭の期間中に様々な出会いを用意して映画制作のための最高のチャンスを提供する。つまり若手監督の支援です。
ちなみに、企画段階のシナリオは世界中に何万本とあります。世界的に有名な映画祭でその中の15本に選ばれるとはどういうことか、もうお分かりでしょう。
今年のアトリエに招待された監督の1人はニューヨーク在住の日本人男性でした。二十歳そこそこで渡米してから四半世紀以上、寝ても覚めても映画のことばかり考えて奔走した彼は、大金が動くシビアな映画業界の仕組みに何度も煮え湯を飲まされました。
元々役者だった彼は、あの唐沢寿明さんと同期です。お互いに売れなかった時代、夢を叶えるためには端役でも何でもやった唐沢さんが大物俳優と呼ばれるようになったとき、まだ何者でもなかった彼は改めて腹をくくったそうです。
命を賭けている映画を生活の糧にしたくない。だから自分の作品を世に出して、映画監督として認められるまでは絶対に死ねない。アトリエに選ばれたシナリオは、彼が15年前に書いたものでした。
何十人ものプロデューサーにプレゼンしても結局話がまとまらず、こうなったら全財産を突っ込んで自己資金で作ろうと撮影に踏み切ったのが昨年のこと。
その後、編集作業に追われていたときに届いた朗報が「カンヌご招待」だったのです。これを機に彼の映画人生は大きく変化していくでしょう。
成功者に成功した理由を尋ねると、多くの人が同じことを言います。
「成功するまでやめなかったから」
本当に成し遂げたいなら成し遂げるまで続けることです。毎日毎日そのことを真剣に考えて、今できることをやってみる。これは物事の大小によりません。
できるまでやる。挫折してもやり続ける。だからこそ信念が問われるのでしょう。
投稿者: 伯税務会計事務所
2013.05.20更新
投稿者: 伯税務会計事務所
2013.05.15更新
「為せば成る 為さねば成らぬ何事も」で知られた米沢藩主の名君、上杉鷹山(ようざん)は、人を動かす方法を「してみせて、言ってきかせて、させてみよ」と説きました。
これをもとにしたと言われるのが山本五十六元帥の名言、「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」です。
教育者としても知られ、人望に厚く部下にやる気を出させることが非常に上手かった山本五十六は、模範を示し、指導して、実際にやらせる上杉鷹山流のやり方に「ほめる」を加え、理論ばかりでは人は動かないことを暗にほのめかしたのでしょう。
人の心が動くのは感情が刺激されたとき。まずは心が動かなければ人は動きません。
「ほめて伸ばす」は人育ての定説です。最近では人のほめ方を学ぶ「ほめる研修」を導入する企業もあるようです。
しかし、人をほめることは意外と難しく、「どんな言葉をかけたらいいのかわからない」という声をよく聞きますが、ほめ方で最も大事なのは「ほめ言葉」より「何をほめるか」でしょう。
かつて、ニューヨークの小学校で興味深い実験が行われました。小学4年生に簡単なパズル課題を与え、課題終了後に生徒をほめました。
そのとき、「頭がいいんだね」などと結果をほめられた生徒は、続く実験で自尊心を守るためにチャレンジを避け、最終的に成績がダウンしてしまいました。片や「よく頑張ったね」などと努力をほめられた生徒は、続く実験で実力以上の課題にチャレンジして成績を伸ばしていきました。
つまり、「結果」をほめると失敗を恐れるようになり、「努力」をほめると困難に直面してもくじけなくなる。
あくまでも可能性の話ですが、ほめるポイントによって及ぼす影響が変わってくる点は見逃せません。
ビル・ゲイツ氏は、部下が大失敗しても全力を尽くしたならば怒らなかったそうです。
結果より努力を認めてほめる。ほめて心が動いたら、社員や部下たちは自らの意思で次のステップへと歩み始めるのでしょう。
投稿者: 伯税務会計事務所
2013.04.15更新
今では社長となったAさんは、新入社員を迎えるシーズンになるとサラリーマン時代に経験したある出来事を思い出し、襟を正すそうです。
それは社会人一年生になった年のことでした。商談の帰り道にいきなり先輩か
ら怒られたAさんは慌てて記憶をたどりましたが、商談中にミスをした覚えはありません。
「お客様がしゃべっているとき、君はまったくメモを取っていなかっただろ?」。先輩の指摘にAさんは「なんだそれか」とホッとしました。
確かにAさんはメモを取らなかったそうですが、それは記憶力に自信があったからです。
「私は一度聞いたことは忘れないのでご安心ください」。Aさんは得意の記憶力を駆使して商談から得た顧客の情報を先輩に披露しました。
我ながらの記憶力に、「ほら先輩、よく覚えているでしょ」と自慢したい気さえしていたそうです。
しかし、Aさんは大きな勘違いをしていたのです。「君の記憶力はたいしたものだ。自分で覚えているというなら、それはそれでいい。だがね、メモは自分のためにあるんじゃない。相手のためにメモを取る。
それが仕事といものだよ」。人の記憶力は大して当てになりません。
メモというのは忘れてしまうことを前提にした対策です。
それなのに大事な商談でメモを取らなければ、「この人、本当に大丈夫かな?」と相手は不安に思うでしょう。
自分が忘れないためにはもちろん、相手のためにもメモを取る。
それがたとえポーズでも、相手の話を真剣に聞いていることを伝えるためにメモを取る。
それが社会人としての第一歩だという先輩のアドバイスでAさんは、今ではメモ帳を持ち歩くようになったそうです。
30年も前のこの出来事は、「何のためにそれをするのか」という本質的な問いをいまだにAさんに投げかけます。
「自分のためだけなら商売にあらず。
利益最優先ならお客様のためならず」。今年もAさんが襟を正す時期がやってきました。
投稿者: 伯税務会計事務所
2013.03.15更新
人間もある程度成熟してくると「量より質」という考え方にシフトしていくようです。
焼き肉食べ放題よりA5ランクのお肉を少量。
人生を逆算する世代になれば人間関係も質重視で、本当に信頼できる仲間こそが財産と思うようになってきたりもします。しかし商売においては、「量」の追求がものを言う場面もあります。
例えばお客様と良い関係を築いていくには「質」の前に「量」、つまり接触の回数が重要ということです。といっても「数打ちゃ当たる」の「回数」ではありません。
人間の心理には「見ることは好きになること」という側面があり、好みや判断は「どれだけそれに接してきたか」で決まっていくそうです。接触回数が増えると人は無意識のうちに「差」を見るようになります。差を見ると選好度が上がっていくのが普通です。
だから、繰り返し見せられたCMの商品を手に取りがちになったり、テレビでよく見かけるタレントの好感度が高かったり、結婚相手がどことなく自分の両親に似ていたりといったことが起こるのです。こうした現象は、1人のお客様に対する接触回数を増やしていくことが信頼関係につながる可能性を示唆しています。
反りが合わないお客様を「苦手なタイプ」と大ざっぱにくくるのではなく、あえて会う回数を増やして細かく観察してみましょう。
その人のどこが苦手なのか。最初から苦手だったのか。途中から苦手になったなら、それ以前と何が変わったのか。どうすればその人に対する苦手意識が減るのか。
こうして「苦手意識」に差をつけていくと、だんだん嫌悪感が減っていくのが人間本来の特徴だそうです。
反対にお客様からのウケが良くない場合も、懲りずにちょくちょく顔を見せることで関係性が好転するかもしれません。お客様との関係をまずは「量」で稼いで、それなりに機が熟したところで今度は「質」で勝負する。
何もしない土地にいきなり種を蒔くよりも、地道に耕した畑に種を蒔いたほうが芽が出やすいことは言うまでもありませんね。
投稿者: 伯税務会計事務所
2013.02.15更新
物事の理由のなかで最大にして最高の理由は「好き」と「嫌い」でしょう。
どんな理由をいくつ並べても、「だって好きだから」あるいは「だって嫌いだから」以上の理由はなかなか見つかりません。
「好き」「嫌い」を決めるのは人間の本能的な部分なので、相手にそう告げられたら「そうですか・・・わかりました」と引き下がるしかほかになく、そこに反論の余地はまったくありません。
「好き」と「嫌い」はそのくらい強烈に個人的な理由であり、一種の最終勧告であり、だからこそ最大にして最高の「言い訳」にもなってしまいます。
例えば、釣りが趣味なら「釣り」を楽しめばいいでしょう。魚が釣れても釣れなくても、好きな釣りを思う存分楽しめば大満足です。
しかし、「魚を釣る」という仕事を与えられた場合には事情が一変します。魚を釣らなければならない以上、何がなんでも魚を釣る。このとき釣りが好きかどうかは一切関係ありません。
釣りが嫌いでも魚を釣る。道具がなければ自分で道具を用意して、釣れる場所を探してそこまで出向き、一生懸命に努力をして実際に魚を釣り上げなければなりません。
ところが、いざ商売で大きな問題に直面すると「好きなことだから」とか「嫌いなことまでして」などと自分自身に言い聞かせるようにしてその場から逃げてしまう。
このようなことは誰もが経験したのではないでしょうか。現実的に商売は、どんなことがあっても利益を確保しなくては長く続きませんし、苦手でも頭を下げる営業が必要な場合もあるでしょう。
自分にとっての「好き」「嫌い」は最大にして最高の「理由」だからといっても、商売を営む上では最大にして最高の「言い訳」になり
かねません。
目の前に大きな壁が立ちはだかったとき、「できない理由」は簡単に探せます。そうであるならば、きっと「できる理由」も見つけ出すことができるはずです。
自分に「言い訳」をしていないか?時にはそのような視点から商売を省みることも大切でしょう。そこには大きなヒントが隠れているかもしれません。
投稿者: 伯税務会計事務所
2013.01.15更新
新年は大きな区切りで、気持ちを改める良いタイミングです。しかし、「芸術は爆発だ」でおなじみだった岡本太郎さんは、「計画を実行したければ、元旦にスタートを置くなんていう手ぬるいものじゃなく、毎朝にスタートラインを引くべきだな」と言っていたようです。
毎朝をスタートラインにするくらいじゃないと、人間はすぐに慣れてしまうということでしょう。ちょっとでも気を緩めたら清々しい新年の気分は2~3週間もするとだらけてしまい、「今年こそ!」の意気込みも数ヶ月ほどで尻つぼみになってしまいます。仕事も人生も「慣れ」との戦いです。
熟成する「熟れ」は成長を意味しますが、「慣れ」てしまうとそこから先の伸びがありません。サービス業を営むある方が、仕事を始めて3年目に先輩経営者からこう言われたそうです。
「商売を始めて2、3年すると仕事に慣れてきて余裕ができる。すると誰でもお客様の文句や愚痴を言うようになるけれど、実はそこが分かれ目だよ」。
そのまま文句を言い続ける人は、「あの人が悪い」「景気が悪い」といつまでも何かのせいにします。だから商売もそこ止まり。
一方、一時は文句を言っても、そこで自分を省みて「自分もいけなかった」と気付く人は、それからお客様の文句や愚痴を言わなくなります。そんな人が商売で成功していく例をたくさん見てきた先輩経営者は、ちょうど仕事に慣れて文句が出始めたその方に「どっちの道を選ぶのか」と暗に促したようです。
同じことを長く続けていれば自然と慣れてしまいますが、そこはあえて自分にカツを入れたいものです。
文句や愚痴が多くなり、人のせいにするようになったら「慣れ」のサイン。何事も人のせいにしないで自分の問題として解決していく過程には、「熟れ」はあっても「慣れ」はありません。そのためにも毎朝をスタートラインにする意気込みで、今年も懸命にチャレンジしていきたいものですね。
投稿者: 伯税務会計事務所